Nuxt2 ではnuxtServerInit
という Vuex のアクションを使うことで SSR の最初に何らかの情報を commit してクライアントでも利用可能なグローバルなステートを持つことができた。何らかの情報というのは例えばリクエストからセッション情報が挙げられる。
Nuxt3 にはnuxtServerInit
はないがいくつかの代替案がある。このブログで紹介されているいくつかの方法のうち本記事では Nuxt Plugin と useState を組み合わせる方法を紹介する。
TL; DR;
composables/useUser.ts
export const useUser = () =>
useState<User | null>("user", () => {
// リクエストヘッダーなどからユーザ情報を抽出する
const user = extractUserInfoFromReq();
return user;
});
plugins/00.init.server.ts
export default defineNuxtPlugin(() => {
useUser();
});
useState でグローバルなステートを作成する
useState は Nuxt3 で導入されたリアクティブかつ SSR 対応なグローバルステートを作成・使用するための composable である。
useState は SSR および CSR 横断で指定たされたキーで初めて呼び出されるときに初期化処理が走る。
const useUser = () =>
useState<User | null>("user", () => {
// リクエストヘッダーなどからユーザ情報を抽出する
const user = extractUserInfoFromReq();
return user;
});
Plugin で useUser を呼び出す
nuxtServerInit
のように SSR の最初に実行してグローバルなステートをセットし後続の処理で使えるようにするために useState を Plugin で呼び出す。
Plugin は route middleware よりも先に呼び出される (TODO: 裏取り) ためで route middleware で useState を呼ぶと例えば他の Plugin でグローバルなステートを使いたくてもまだセットされていない、という状況になってしまう。
そのため全てのコードで利用可能にするために Plugin で実行する必要がある。
あとは user にアクセスしたいコンポーネントでuseUser
を呼び出せばよい。
export default defineNuxtPlugin(() => {
useUser();
});
下記のようにprovide
を使うことでNuxtApp
に$user
という名前でヘルパー関数を登録することができるが、できるだけグローバルな名前空間を汚染してしまうためcomposables の使用が推奨されている。
export default defineNuxtPlugin(() => {
const user = useUser();
return {
provide: {
user,
},
};
});
Plugin も実行順が定義されておりデフォルトではファイル名のアルファベット順に実行される。そのため一番最初にするには 00.init.ts のように若いインデックスをファイル名にしておく。
ファイル名で実行順が決まるのはメンテ性に優れていないと個人的に考えている。これは、依存関係に変更があったらファイル名を変更する必要が出ることがあるため。
明示的に依存関係を定義するのにdependsOn
というフィールドがある。(オプション形式での指定が必要)
export default defineNuxtPlugin({
name: "a",
dependsOn: ["b"],
setup() {
const user = useUser();
return {
provide: {
user,
},
};
},
});
また、サーバーサイドでしか実行しないようにするためにファイル名を*.server.ts
という名前にするか Plugin の先頭で下記のようにクライアントサイドでの実行なら return するようにしてもよい。
export default defineNuxtPlugin(() => {
if (process.client) {
return;
}
useUser();
});